アレチウリの惑星
大江健三郎の「治療塔」に、「新しい地球に人類がもたらしたものは葛を繁殖させたことだけだった」、というくだりがあります。
葛だけが生い茂っている惑星、それが治療塔惑星なのです。葛の繁殖力を考えると、そんな光景は想像に難くありません。
葛は、その根が「葛根湯」に利用される有益な植物です。いってみれば善玉の植物かもしれません。ところが、もうひとつ、たいへんな繁殖力で地上を覆いつくしそうなものがあるのです。その名もアレチウリ。
この写真は花が終わりかけのころです。
アレチウリは、地面を這うと緑の海のようにどこまでも広がりますし、下の写真みたいに、別の樹木を覆いつくしてなんの木かわからなくしてしまうし、電柱にも鉄塔にも上るし、フェンスにからみついてまるで生垣みたいにしてしまうし・・・そのパワーはとどまるところを知りません。大江がまた治療塔の続編を書くことがあれば、葛とアレチウリの抗争にアレチウリが勝った、ということが描かれるかも、といつも私は思います。
こうしてもこもこの様子は、ブルガリアのお祭りの「クケリ」みたいで、なんだか憎めない気もするのですけれど。
でもほっておくと文字通り痛い目にあいます。
写真のようにとげとげの実がつきますから。これって見た目的にも爆弾ですが、ほんとに爆弾のように危険です。
このトゲは、容赦なく突き刺さります。痛いです。手のひらに垂直に刺さったところなどみると、悪意を感じますよ。ジーンズの上からも刺してくるので泣きそうです。
と、半分以上面白がっていますけれど、自分ちの庭にはいてほしくない君です。(すぐに入り込んでくるのですが)
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